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本堂にあった長谷川派の絵の写真を発見
妙成寺の本堂壁面に、七尾出身の画家・長谷川等伯の一派が描いたとみられる絵があったことが、同寺文化財調査委員会の調査で分かりました。昭和初期に行われた修理の際に撮られた乾板写真3枚が奈良文化財研究所(奈良市)で見つかり、専門家は羅漢などを描いた作風が等伯に極めて近いとみています。
3枚の絵は、本堂中央の須弥壇(しゅみだん)と左右の脇壇(わきだん)の壁面に描かれていました。中央の絵には「飛天」2体が、左右にはそれぞれ「羅漢」3体ずつが描かれています。現在の壁面は、金箔に覆われており、絵は残っていないと思われます。特に脇壇の羅漢や侍者は、ごつごつとした顔の輪郭、強調された肩や腕の筋肉やあばら骨などが特徴的です。こうした作風は、霊泉寺(七尾市)が所蔵する等伯の能登時代の作「十六羅漢図」に似ています。
調査委員会建築班の山崎幹泰金沢工大教授と美術班の北春千代県立歴史博物館学芸主幹は、写真が妙成寺本堂で撮影されたことを現地で確かめるとともに、県七尾美術館に寄託されている霊泉寺の十六羅漢図も見て、筆致や表現の酷似性を確認しました。境内の重文建築の国宝化を目指す同調査委員会では、伽藍の建築年代を考える一助ともなる貴重な発見と捉えています。