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須弥壇に桃山様式の彫金

 羽咋市と北國総合研究所による妙成寺の多面的価値調査で、客殿の須弥壇に、豪華な桃山様式の彫金がみられることがわかりました。

 須弥壇前面にある金銅製出八双金具で、上下の位置に打たれています。上部は、五七桐と唐草を細かに表し、両端の区画には葉に丁寧な鋤彫りを加えたものです。慶長19(1614)年に造営された名古屋城本丸御殿の表書院帳台構に打たれた出八双金具と酷似しています。

 下部は、一転して枝垂桜を表しています。桜を大振りに描いて空間に露を意味する大粒の円環を散らすなどの作風は、まぎれもなく桃山時代のものだそうです。調査に当たった久保智康氏は「金具の作行きは、名古屋城本丸御殿や二条城二の丸御殿などに見られる金具と何ら遜色がなく、京都の最上級の錺工房に発注したのは確実で、客殿そのものの造営環境を考える上でも注目すべき作品である」と話しています。