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五重塔「棟札の謎」

 古い建物には「棟札」がつきものですが、妙成寺の五重塔については、一般的な棟札と形や文面が異なっており、不思議の寺「妙成寺の謎」を指摘する専門家もいます。

 棟札は、一般的には縦長の形で、建立年代や大工の名、奉行の名などが書かれるものですが、五重塔のものは、横長の板で、「帝範に云う、良匠には棄材無く」などと長い文章がつづられていまます。

 文末には、古文書に記された塔の建立年代を裏付ける「元和4(1618)年」の年号が書かれていますが、このように内容に特徴があるため、「棟札というより、大工が塔を建てたことを告げる説明版」であり、「塔が建てられたのはもっと古いのではないか」と考える向きもあるのです。

 謎が多く、まだ知られていない価値が眠っている妙成寺。謎解きに思いをはせながら境内を歩くと、面白い発見があるかもしれません。