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妙成寺は能登の「日光東照宮」
主要伽藍の9棟に彩色確認
妙成寺中心伽藍にある主要9棟すべてに、彩色の痕跡があることが、羽咋市と一般財団法人北國総合研究所の調査で分かりました。これまでに五重塔や本堂など5棟で彩色痕が見つかっていましたが、鐘楼や二王門など4棟でも彩色が確認され、寺が江戸初期から中期にかけ、色鮮やかな外観が特徴的な日光東照宮(栃木県)のような姿だったと推測されます。
天野山文化遺産研究所(大阪府)の山内章代表が調べ、彩色の痕跡を肉眼で確認しました。鐘楼には緑青色の跡に加え、組み物に「条帯紋」と呼ばれる文様の痕跡が見つかりました。二王門の柱には茶色系の丹土色、三十番神堂拝殿には風食痕による文様の痕跡を確認し、経堂には赤茶の彩色が残っていました。
五重塔も極彩色か
再調査した五重塔からは丹土色が塗り直された痕跡が見つかり、五重塔がかつて極彩色だった可能性が高いことも分かりました。
山内氏は「色が塗られていた時代を特定するためにも、さらに詳しい調査が必要だ」と話しました。