更新ニュース

15代 日條上人描く「鬼子母神十羅刹女像」発見

長谷川派の影響残る

 妙成寺の文化財調査委員会は、寺の土蔵から、寺の第15代貫首・日條上人が1621(元和7)年に描いた「鬼子母神十羅刹女像」を発見しました。日條上人は歴代貫首のうち、仏絵師並みの力量を持っていたとされていて、既に確認されている「日蓮聖人画像」に続き2点目となりました。

 日條上人は、加賀藩3代藩主前田利常の母・寿福院のおいに当たります。 仏画は縦111センチ、横59センチで、確認した文化財調査委員の北春千代県立歴史博物館学芸主幹は「鬼子母神や十羅刹女像の表情がとても微細な筆で描かれていて、雲の形にも長谷川等伯に連なる長谷川派の特徴がよく表れている」と話し、日蓮宗の三大仏画といわれる三十番神図も描いているだろうと説明しました。

 北学芸主幹によると、歴代貫首の中で、絵を描く人物は何人かいたが、日條上人ほど傑出した画力を持つ人物はいなかったとして、「妙成寺が長谷川派の工房であった可能性も考えられる」と指摘しました。