昔は城砦じょうさいだった?5つのポイント

ポイント1

田園地帯の小高い丘に建つ

田園地帯の小高い丘に建つ

妙成寺(みょうじょうじ)を空から見ると、周囲を田んぼに囲まれてここだけが小高い丘のようになっています。まるで城砦(じょうさい)のように見えます。妙成寺(みょうじょうじ)がある滝谷(たきだに)地区は能登、加賀、さらには越中にもつながる交通の要衝(ようしょう)であり、軍事的にも重要な場所だったのでしょう。昔から、周囲に水を張ると堀になるとも言われており、(いくさ)が絶えることのなかった加賀藩以前から城砦のような機能があったのではないかと見られています。

ポイント2

()(じゅう)(のとう)は見張り(やぐら)

五重塔は見張り櫓

妙成寺(みょうじょうじ)自体が城砦(じょうさい)だとすれば、五重塔は単なる宗教的なシンボルではなく、お城の天守閣(てんしゅかく)としての役割があったのではないでしょうか。塔の上層階からは境内の(わき)を通る街道も見下ろせますし、日本海も一望できます。さらに、塔の窓はお殿様が滞在する書院(しょいん)の方角に開けてあるのです。攻め入る外敵を見つけたら、いち早くお殿様に連絡できるようになっていたのではないでしょうか。

ポイント3

(そう)(もん)はお城に使われた形

総門はお城に使われた形
総門

妙成寺(みょうじょうじ)の入り口にある総門、通称「黒門(くろもん)」は、お寺の門として珍しい形をしています。これは「高麗門(こうらいもん)」という装飾性の少ない形式で、一般的にはお城の門に使われた形をしているのです。

ポイント4

境内に残る()(づら)()みの石垣

境内に残る野面積みの石垣
野面積みの石垣

妙成寺(みょうじょうじ)の境内には二王門(におうもん)(わき)に、自然の石や荒割(あらわり)しただけの石を積む「自然石積み」(野面積(のづらづ)み)という最も古い形式の石垣があります。石垣と言えば、やはりお城が思い浮かびます。野面積みというのは、金沢城の東ノ丸(ひがしのまる)東面石垣と同じ積み方なのです。

ポイント5

地下倉庫は抜け穴か

地下倉庫は抜け穴か
  • 庫裡の床下
  • 穴ぐら

庫裡(くり)の床下をめくると地下倉庫になっている穴ぐらがあります。石組で迷路のようになっており、一説によると抜け道だったとも言われているようです。

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